第1章 1028第2章 得意なこと第3章 使える人第4章 気になる点第5章 これから新AI登場
Googleの最強AIはまだ一般に使わせない
世界1位AIの総合評価(Artificial Analysis)で59点、首位に(Google発表)
1何が起きた?
わずか2週間で次の最強AI、Googleが新しい最上位モデルを発表
- 前のモデルは?
- Gemini 4 Argon。一般公開は10月13日
- 総合評価は?
- 59点で1位。Claude Opus 5.5は58点
- どう動く?
- 社内では何日も作業を続けたという
何が起きたか
Googleは10月28日、新しい最上位のAIモデル「Gemini 4 Carbon」を発表しました。前のモデルGemini 4 Argonを一般に公開した10月13日から、約2週間での発表です。Google DeepMindのコライ・カヴクチュオール氏は、セキュリティと長い時間かかる仕事に強い、同社でいちばん強いモデルだと説明しています。
なぜ大事か
AIの性能を比べる第三者の総合評価(Artificial Analysis Intelligence Index v5.0)で59点となり、1位になりました。VentureBeatによると、AnthropicのClaude Opus 5.5は58点、OpenAIのGPT-6 Astraは57点、Argonは50点です。Googleは、社内ではCarbonが何日も続けて作業したとしています。
日本への影響
1位といっても差は1〜2点で、項目によってはほかの会社のAIが上回っています。AI各社の最上位モデルは、数週間ごとに入れ替わる競争になっています。
2弱点探しのプロ
ソフトの弱点を見つけて直す、セキュリティの作業を通しでこなす
- 何をする?
- 弱点を探し、本当に悪用できるか確かめ、修正する
- テストの成績
- 弱点の再現テストで88.2%(Argonは83.4%)
- 安全なコード
- 安全なコードを書ける率がArgonの2倍超
何が起きたか
Carbonがいちばん力を入れたのは、ソフトウェアの弱点(脆弱性)を見つけ、本当に悪用できるかを確かめ、直すまでの一連の作業です。Googleによると、弱点を再現するテスト(SEC-bench Pro)で88.2%、悪用を試すテスト(ExploitGym)で54.8%と、Argonの83.4%・42.0%を上回りました。
なぜ大事か
Googleは、安全なコードを書ける成功率がArgonの2倍を超え、ChromeのチームではCarbonがほかの会社の大型モデルより10倍以上よい修正を作ったとしています(いずれもGoogleの社内の評価で、相手のモデル名は示していません)。これらのテストは、安全のための制限を外した状態で測っています。
日本への影響
弱点を早く見つけて直せれば、守る側は助かります。一方、同じ力は攻撃する側が使えば弱点を突く道具にもなります。これが次の章の「すぐには使わせない」理由につながります。
3なぜ使えない?
まずは守る側の専門家だけ、強い力なので、配る相手を絞って段階的に
- 誰が使える?
- まず一部のセキュリティ専門家。今週から
- その次は?
- Googleの「Fairwind」で信頼できる提携先へ順に
- 国のチェック
- 米国政府の公開前テストにも参加している
何が起きたか
Googleは今週から、Carbonをまず一部の「サイバー防御の担当者」(システムを守る側のセキュリティ専門家)に提供し、その後「Fairwind」という仕組みを通じて、信頼できる提携先へ少しずつ広げるとしています。開発者・企業・一般の利用者へは「できるだけ早く」としていて、日付は示していません。
なぜ大事か
Googleは「慎重に段階を踏んで公開する」と書き、米国政府が行う、公開前のAIを任意で調べる仕組みにも参加していると説明しています。公開前に、悪用を防ぐ仕組み(ガードレール)を、使った人の意見をもとに直していくとしています。
日本への影響
前のArgonも、最初はFairwindの提携先だけに出し、約2週間後に一般公開しました(VentureBeat)。性能が上がるほど、すぐには配らず段階を踏む形になっています。
4賢いけれど…
知ったかぶりが4%→11%に、第三者の評価では、まちがいの出し方が増えた
- 知識の正解率
- 48%→58%に上がった(Argon比)
- でも
- 外すと「わからない」と言わず誤答が増加
- 負けた項目
- パソコン操作などではClaude Opus 5.5が上
何が起きたか
VentureBeatが伝えた第三者(Artificial Analysis)の知識テストでは、Carbonの正解率は58%で、Argonの48%より上がりました。ところが、正しく答えられなかった問題のうち、「わからない」と言わずにまちがった答えを出した割合(ハルシネーション率)は、Argonの4%から11%に増えています。
なぜ大事か
知っていることは増えた一方で、知らないことを知ったかぶりする傾向が強まった、ということです。Googleの発表にはこの数字はなく、Googleは社内の評価で「根拠のない主張は約半分に減った」としています。測り方が違うため、どちらか一方の数字だけで判断できません。
日本への影響
VentureBeatによると、パソコンを操作するテスト(OSWorld)ではClaude Opus 5.5が上回り、Claude CodeとOpus 5.5の組み合わせもプログラミングの評価でCarbonより上でした。どのAIがいちばんかは、使い道によって変わります。
5料金といつ使える?
料金はあとで2倍に、最初は前のモデルと同じ。割引が終わると値上げ
- 最初の料金
- 100万トークンで入力約320円・出力約1600円
- 割引のあと
- 入力約630円・出力約3200円(2倍)
- 日本では?
- 一般の人が使える時期は未定
何が起きたか
開発者向けの料金は、最初は入力100万トークンあたり約320円(2ドル)、出力は約1600円(10ドル)で、Argonと同じです。くり返し使う入力(キャッシュ)は95%引きです。Googleは、割引の期間が終わると入力約630円(4ドル)・出力約3200円(20ドル)になるとしています。
なぜ大事か
トークンは、AIが読み書きする文字の量の単位です。割引がいつ終わるかは示されていません(VentureBeatによると、Argonの割引は11月30日まで)。
日本への影響
日本を含め、一般の利用者や開発者がいつ使えるようになるかは発表されていません。GeminiのアプリやGoogleのサービスに入る時期も未定です。金額は1ドル=158円で換算しています。
海外の報道や各社の発表をもとに、ai.1min.news が日本語でまとめました。AIの使い方と編集方針